フェアトレードコーヒーが、
その先でどんな人に届けられ、
どんな生き方と結びついているのか。
このシリーズでは、
コーヒーを通して生まれる
“物語のつづき”を訪ねています。
今回訪れたのは、
福岡を拠点に活動するキッチンカー珈琲店、
于由珈琲。
・
実はオーナーさん、
もともとは“紅茶派”。
コーヒーは苦手だったそうです。
そんな中、
たまたまランチで飲んだ一杯のコーヒーに衝撃を受け、
そこから全国のコーヒー屋を巡るように。
さらに、
ある焙煎士との出会いをきっかけに、
自ら焙煎の道へ進みます。
背景には、
子どもの頃から抱えてきた身体の不調や、
皮膚トラブルの経験がありました。
「無農薬のコーヒーが欲しかった。
でも、なかなか見つからなかった。」
健康面から浅煎りを求めても、
当時は選択肢が少なかったそうです。
だからこそ、
“自分が本当に飲みたいコーヒーを、自分で作る”
という方向へ自然と進んでいったのかもしれません。
最初は豆の販売からスタート。
知人のお店に少しずつ置いてもらい、
そこからキッチンカー営業へ。
現在は、
福岡の桧原運動公園などへ不定期出店しながら、
5年以上活動を続けています。
取材の日も、
常連のお客さんが自然と集まり、
「なんでコーヒー屋を始めたんですか?」
とオーナーさんに質問していました。
初対面の人同士でも、
気づけば一緒に話を聞いている。
コーヒーを介して、
小さな会話が生まれ、
人と人との距離が少し近づいていく。
そんな空気が、
そこにはありました。
「体のことで大変な人生だったけど、
今こうしてコーヒーを焙煎して、
販売していることが、
自分の生き方にすごく合っていると思う。」
静かにそう語ってくれた言葉が、
とても印象的でした。
“これが、自分の生きる道。”
店名の「うゆ」は、
“宇宙の外にあるエネルギー体”
という意味を持つそうです。
一杯のコーヒーの奥には、
その人自身の人生や哲学が、
静かに滲んでいました。

