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なぜメキシコのコーヒーを扱っているのか?

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当社では少量から、フェアトレード及び無農薬栽培された
コーヒー豆を卸売り価格にて販売させていただいております。

焙煎翌日便

杉山世子の【ガチ日記】

2020/03/13

なぜメキシコのコーヒーを扱っているのか?

スタッフYの質問に答えます


今朝、出勤してきたスタッフYから、
「そもそも、シャチョー(私のニックネームです)はなぜメキシコのコーヒーを扱っているのか。東ティモールやペルーなど、限られたコーヒーを扱っているのはなぜなのか」
と質問されましたので、しっかりと答えたいと思い、書き始めました。

まず、その前にメキシコのコーヒーとはどのようなものなのかを説明します。


メキシコのコーヒー栽培

あまりイメージがないかもしれませんが、メキシコは、コーヒー栽培のさかんなラテンアメリカでも第5位のコーヒー生産国で、世界でも11番目の生産量をほこるコーヒー生産地になります。
コーヒーベルトでは最北端になり、
コーヒーの産地はグアテマラに近い南部地方が中心です。マヤビニックコーヒーの産地チアパス州もメキシコの南東部、グアテマラとの国境に接しています。
1795年スペイン植民地時代に、スペイン人が移植したのがメキシココーヒーの始まりと言われています。

さらに、世界の60%のオーガニックコーヒーは、メキシコで栽培されています。メキシコのコーヒー、特にこれらのオーガニックコーヒーのほとんどは、チアパス州とオアハカ州の小規模農家によって栽培されているのです。
メキシコの土地は肥沃であることから、あまり農薬を必要としないという説もあります。
また収穫のほとんどは手摘みしています。その後の処理としては、手摘みしたコーヒーチェリーを、水洗処理を行い、その後天日乾燥を行うまで、一貫して、生産者が手をかけて、目を配って丁寧に行なっています。


メキシココーヒーの風味特性

メキシコのコーヒーは一般的に、適度な酸味があり、苦味が少なく、柔らかな風味が特徴になります。ストレートでも十分にバランスよくお召し上がりいただくことができますし、ブレンドのベースとしても、使いやすく、他の豆との相性も良いです。



オーガニックコーヒーの定義

国際機関のOCIA(国際有機農作物改良協会)や、アメリカの機関USDA(オーガニック認定全米統一基準)で認定されたものが、オーガニックコーヒーとして販売することを許されます。その基準は非常に厳しく、過去3年以上に渡り農薬や殺虫剤、化学肥料などを使用していない土壌で栽培されたもの収穫後の加工まで合成添加物などを使わないことが認定されていなければなりません。

日本国内での焙煎豆等、有機JAS認証をつけて販売する場合は、検査を受け認定される必要があります。

ただ、勘違いして欲しくないのは、「オーガニックコーヒー」とラベル表示ができるのは、「オーガニック認定機関」で栽培から加工まで認定を受けたものですが、認定は受けていなくても、有機栽培のコーヒーであることは当然ありますので、消費者は、商品の情報に敏感になることと、よく観察すること、そして売る側もしっかりと言葉で説明する必要があります。

メキシココーヒーとの出合い

さて、ここまでメキシコのコーヒーのお話をしてきましたが、いよいよ私自身がなぜメキシココーヒーを扱っているのか、について答えていきます。

私が大学在学中、所属していた山本純一研究室のプロジェクトでこのコーヒーに出合いました。そのプロジェクトは、経済成長著しいメキシコにおいて、未だ貧困にあえぐコーヒー生産に従事するマヤ先住民の経済的自立を目的としたものでした。
その研究室では、JICAの資金を獲得し、栽培から加工までの技術協力に専念した結果、より高品質の豆の生産と、焙煎技術の向上に貢献しました。またフェアトレードによって日本への輸出促進も行いました。

私自身は大学入学前に、アフリカ三か国で青年海外協力隊として活動しました。活動を重ねる中で、貧困指数の高いアフリカとはいえ、一方的な「支援」には限界があると感じました。そして、目の前で接している、最も経済的に困窮した状況にあるコーヒー生産者らと、ビジネスパートナーとして付き合っていきたいと考えるようになりました。 

ここまでのお話は、下記にも載っていますのでもしよかったら、ご覧ください。
⏩⏩ 豆乃木がなる日 Story of mamenoki 起業元年


コーヒーという地域資源

前述のとおり、私は大学入学前に青年海外協力隊として合計3年7ヶ月、アフリカで活動していました。
最初に活動したジンバブエからの帰国後、短期隊員としてケニア、マラウイで活動をしました。3か国目のマラウイで、私は「一村一品運動」に携わることになりました。「一村一品運動」こそがメキシコのコーヒーに繋がる原点と言えます。

一村一品運動とは、「地域資源を掘り起し、磨きをかけて(加工などを施し工夫をする)、誇りとなる産品に育てること。そして、その産品が世の中にいき渡る(売れたり認知される)ことによって、作っている人びとが、自分の商品やひいては地域に誇りを持つことに繋がる」そんな流れを生み出すための運動で、1980年に大分県のまちづくりの運動としておこりました。一例として、ゆずがたくさん穫れる地域では、ゆずを加工して柚子胡椒を作り付加価値をつけることなどが挙げられます。



産地のブランド

「メキシココーヒー」は、はっきり言って産地としてのブランド力があるわけではありません。でもお隣のグアテマラはコーヒー産地としてブランド力があります。ブラジル、コロンビア、エチオピアも産地としてのブランド力があります。
コーヒー以外でも、産地にブランド力があるものはあります。魚沼産コシヒカリ、関サバ、三ケ日みかん、フランスワインなどが地域ブランドの一例です。

産地にブランド力がなくとも、その土地で収穫できるものがコーヒーだけだとしたら・・・。

マヤビニックコーヒーが栽培されている地域では、コーヒーの栽培が、唯一の現金収入に繋がるものでした。一村一品で言うところの「一品」がコーヒーなのです。なのでそこに最大限創意工夫をこらし、「産地」としてのブランド力には欠くかもしれないけれど、生産者組合として、ブランド力を持つことはできるのではないか、と考えました。つまり、マヤビニックコーヒーの販売は、私の中で、一村一品運動の延長の試みでもありました。

援助の限界を感じていた在学中は、主にマラウイと大分に置ける一村一品運動の研究に取り組んでいましたが、それと並行して関わりが生まれたのがメキシコのコーヒーでした。
さらに「フェアトレード」であることが、援助の限界を感じていた私が、メキシコのコーヒーに関わりたいと思う一つのきっかけになりました。


この記事でスタッフYは納得してくれるでしょうか。
ちなみに、メキシコのコーヒーを輸入している私が、なぜメキシコ以外のコーヒー豆(ペルーや東ティモールのコーヒー豆)を敢えて輸入元から仕入れて販売しているのか、と言えば、
 
・コーヒー豆として魅力があること
 
に加え、
 
・自分と同じように、思いを持って産地と接し、苦労して仕入れている(取り組みを行なっている)コーヒー輸入者への敬意
 
があります。加えて、コーヒー豆を買ってくださっているお客様の視点に立てば、メキシコだけのコーヒー豆屋では、あまりに不親切だと感じるからです。
 
以上、今日は「なぜ、メキシコのコーヒーを扱っているのか」について書いてみました。