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マヤビニック組合との課題

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News & Columns お知らせ

当社では少量から、フェアトレード及び無農薬栽培された
コーヒー豆を卸売り価格にて販売させていただいております。

セイコ社長の【ガチ日記】

2020/02/20

マヤビニック組合との課題

輸入業の難しさを語ります

マヤビニック組合との課題

マヤビニック生産者協同組合は、メキシコの辺境にある農家さんの集まりで、その多くが、コーヒー栽培に情熱を燃やしている農家さんというよりは、生活する上で、稼ぎが必要だから、コーヒーというこの地域の「強み」を生かせるコーヒー栽培に携わっている、というのが本当のところだと推察しています。

でも彼ら生産者の知らないところで、日本国内において「マヤビニックコーヒー」は、コーヒーが好きな一部の人には、少しずつ、ほんわかと認知されるコーヒーになってきました。というのはTwitterでマヤビニックと検索すると、

「マヤビニック飲んでます」
「おお、マヤビニックですね!」

という、やり取りがヒットして、当人同士を知らない私も「おお」となったわけです。

マヤビニックが少しずつ認知されていったのは、1にも2にも、マヤビニックを昔から焼いていただいているロースターさんのおかげです。

とにかくマヤビニックがラッキーだったのは、もともと日本に紹介された段階で、すばらしいロースターさんに「出合って」そして、「使い続けて」いただいたからです。

マヤビニックというのは、そんな幸運なコーヒーだったりもします。


「マヤビニック 神の子 不思議な子」



私はノムさんの言葉を借りて、そんな風に思うのです。

今現在、マヤビニックコーヒーの日本国内での輸入元は、弊社以外にもう一社があります。仮にA社としておきます。

A社は、弊社よりも以前に、やはり私と同じ大学のプロジェクトを通じて、マヤビニックの輸入を手掛けた会社です。さかのぼること2005年、その当時からマヤビニックの輸入、販売をおこなっているA社こそ、「元祖マヤビニックコーヒー輸入者」といえます。しかし、A社は、代表が変わったり、会社の経営母体が変わったりをしているうちに、産地と「距離」が生まれてしまいました。その「距離」を、豆乃木が補えればと思い、情報共有をしたり、輸入の交渉については、豆乃木が代理になることがあります(A社から金銭をいただくことはないです)。


私としては、マヤビニックコーヒーの輸入を独占する意向は当然ながらまったくなく、誠実な人が、誠実に彼らのコーヒーを輸入してくれるのであれば、うちがやらなくても良いとさえ思っています。

そんな中で、2019年の輸入時に、ある事件がおきました。
組合内部のガバナンスの問題、そして、母国語を異にする日本サイドとの「言語コミュニケーション」の問題もあるかもしれません。(具体的な内容は、また改めて話す機会があるかもしれませんが、コーヒー自体に影響するものではありませんので、まずはご安心ください。)

その一件により、A社の経営母体となる「親」会社や、そこから依頼をうけて輸入を担う商社が
「もうマヤビニックとは取引できない(したくない)」
という判断を下したのは、最近の話です。

A社の営業さんは、思い入れのあるマヤビニックをずっと扱っていきたいという意向をお持ちなのですが、要するに「親」が「そんな子とは付き合っちゃいけません」というので、どうしたらよいか、という相談を、私にくれたのです。

たしかにマヤビニックの輸入では、ハラハラする場面があります。
例えば、振込先口座がコロコロと変わる点とか。本当に送金できるのかな、と不安になるので、まずは1000ドルだけ送って様子を見て、
「無事に着金した?」
と確認したあとに、残金を振り込んだ、というのが今年の経験。
他にも、A社が言うのは、昔、プレシッピングサンプルで届いた豆と、実際に届いた豆が違った、なんていうこともあったとか(実際は、ロットごとで品質の差があるので、これについては、何とも言えませんが)。

たしかに、まだまだ品質も安定しないし、常に言葉の問題もあります。私自身は、Google翻訳頼みのスペイン語で彼らと細かな調整をおこなっています。でも、実際に年に2度顔を合わせているので、温度感はわかるのです。そこがなければ、たしかにおっかないのかも。

多分、これは私がおかしいんだと思うんですけど、1から10までちゃんとできる相手だったら、別に豆乃木のような弱小会社が輸入する必要がないんだと思うんです。
「きちんとした家の子としか付き合っちゃいけない」
のであれば、フェアトレードはもうゴールを迎えている状態。

豆乃木だって吹けば飛ぶような小さな会社。だからこそ、彼らと共に歩み、成長したい、という思いがある。
当然、輸入で失敗はしたくないので、失敗しないように慎重にやっています。

でも、これで、マヤビニックが日本国内への輸出のチャンスを逃してしまうのは、本意ではありませんので、なんとか修復できるように、働きかけたいと思います。