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「行動力」と映った私の行動の、ほぼすべては「思いつき」

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当社では少量から、フェアトレード及び無農薬栽培された
コーヒー豆を卸売り価格にて販売させていただいております。

セイコ社長の【ガチ日記】

2019/06/06

「行動力」と映った私の行動の、ほぼすべては「思いつき」

明治大学で授業をして一番多かったコメントについて返信します

「行動力」と映った私の行動の、ほぼすべては「思いつき」

隊員時代の写真

フェアトレードというテーマで年に数回、大学に呼んでいただくことがありますが、先日は3年目となった明治大学のゼミへの訪問でした。
対象は2年生の皆さん。大学生活にもすっかり慣れ、より大学生活を充実させたいと考えている学生さんが多いようで、授業のあとに、先生と学生さんと一緒にお食事をしたのですが、いろいろと質問をしてくださいました。

ちなみに今回のテーマは、

「支援者」からパートナーへ ~チアパス州マヤビニック生産者協同組合とのフェアトレードの実践と課題

この数年、ずっと同じテーマで、やっています(内容はベースがあって、そこに、最新の情報や最新の関心ごとを加えていく感じです)。
当日の授業の内容を、ざっと以下にまとめます。

 
1 フェアトレードコーヒーに至る経緯
 2 ターニングポイントになった2014年(マヤビニック組合のこと)
 3 なぜフェアトレードなのか
 4 フェアトレードの実態
 5 フェアトレードの課題 

「1のフェアトレードコーヒーに至る経緯」の部分で、私がなぜいまメキシコのコーヒーを販売しているのか、そこに至った経緯をお話ししていますが、学生さんには、どうやら、そのパートがもっとも関心が高いようです。というのも、学生さんたちは、授業中に、「リアペ」と呼ばれるリアクションペーパーを書いています。ここには、授業中に残したメモだったり、授業を受けての感想だったりが書かれるわけで、「一日講師」の私も、このリアペをいただけることになり、そのひとつひとつに目を通したところ・・・



という感じでした。

ちなみに、Twitterでは、その日その日の出来事に即した感想や気づき(主にコーヒーやフェアトレード、そして社会問題、メキシコのこと)をつぶやいていますので、フォローしてみてください。
>>豆乃木 杉山のTwitterはこちら。本当は今通っているトレーニングや、食事についてつぶやきたいけど、抑えています。 

簡単に、私と運営する豆乃木の経歴を載せると、

 静岡県浜松市生まれ

 1997年 18歳で大阪の写真専門学校へ、いろいろあってすぐに退学
 2000年  青年海外協力隊として21歳でジンバブエ共和国へ
              その後、ケニア、マラウイで隊員活動に従事。

 2007年 28歳に入学
            在学中、山本純一先生のゼミにて「メキシコ・マヤ先住民のコーヒーによる自立支援プロジェクト」に関わる

 2011年 卒業。株式会社豆乃木を創業
 2017年11月 地元静岡県浜松市が国内4番目のフェアトレードタウンに。

 2019年 現在8期目


という感じで、おそらく、大学で学んでいる学生たちと同じ年ごろにジンバブエに行った「行動力」だったり、28歳で大学に入るという「行動力」だったりが突飛に映ったのだと思います。

学生の皆さんには、「行動力」と映った私の行動の、ほぼすべては「思いつき」です。コーヒーの仕事をしよう、というのも、最初は「思いつき」だったり「そこにあったから」という感じだったように思います。
というと、こういう反論が返ってきます。
「思うことはあっても、行動に移せない」
と。
私だってそうです。私は、自分自身が行動力があるなんて思わないからです。というのも、私が行動できている数って、200個の「思いつき」の中のたった数個です。だから、「自分って本当にモタモタしているな」と思います。

ではその200個のうちの1つ、2つの行動をどうやって起こしたかというと、これはやっぱり、常々「こうしたい」「ああしたい」と思っているから、そこに近づきたいと思うのでしょうね。

高校3年生のとき、受験とはどうやら無縁になりそうだという娘を、父は自分の出張に連れていったのです。父の仕事は、空調設備の設計と取り付けなのですが、富山に1週間ほど取り付けにいくことになり、その出張に娘の私は同行したのです。ヘルメットをかぶり、大粒の汗をかきながら、ダクトと呼ばれる工場に取り付ける大きな配管を、父とふたりで担ぎ、次々と取り付けていきました。
部活動をやっていたので、もしかしたら兄や弟よりも体力があったと思いますが、それでも体はくたくたでした。終わりの見えない作業の間、私が何を考えていたか、というと、「将来、アメリカに留学して、英語を話している自分。」でした。留学先の外国人の友人を、日本に連れてきて、日本の友人に紹介しているシーンまで、鮮明に想像していました。

なぜ留学したかったかというと、高校1年生のときに、ソフトボール部全員でアメリカ・カルフォルニア州アナハイム(大谷選手の所属するエンジェルスの本拠地です)で交流試合に参加したのがきっかけでした。そのときの光景、同年代のアメリカ人の大人びた様子、まったく理解できないけど、英会話の響きに憧れました・・・いつかここに戻ってきたい、そう思ったからです。

結局、私はアメリカには留学していません。でも「海外へ行きたい」と願い続けた結果、コンビニエンスストアで協力隊の募集広告を見て、すぐに資料を取り寄せた(←ここが行動力と言えば、そのとおりですね)のです。
まさか自分が協力隊に行くなんて、思いもよりませんでした。その存在すら、よくわかっていませんでした。それに「高校1年生のときの体験」は部活動の一環として、与えられたものでしたが、そこで感じた気持ちや記憶はずっと残っていました。だからあえて自ら動かなくとも、与えられた環境の中でさえも、発見はあるし、沸きあがる「思い」があるでしょう。
入学した専門学校をやめてしまって、フリーターとして冴えない日々も過ごしていましたが、遠回りをしても、「いつか海外に行く自分」をずっと思い続けていました。もしかしたら、「何かしたい」というよりは「こうありたい」という自分像があって、そこに近づくためにいくつかの「思いつき」の行動を重ねた結果、今フェアトレードコーヒーにたどり着いているのでしょうか。
今はまだ道の途中。今はスペイン語の学習にいそしむ毎日です。

追記:大切なことかもしれないので、追記しますが、行動したいけどできない、という場合は、「コンビニエンスストアで協力隊の募集広告を見て、すぐに資料を取り寄せる」程度の、すぐにできることから始めるしかないですね。その資料を取り寄せて、私の「協力隊へ行きたい」という思いは一気に加速したからです。そのあたりは、また別の機会に。