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【メキシコ滞在記/2018年12月】新しい「何か」を求めて ① 

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杉山世子の【メキシコ滞在記】

2018/12/11

【メキシコ滞在記/2018年12月】新しい「何か」を求めて ①

2018年12月4日~12月16日までは『メキシコ滞在記』でお楽しみください

ここチアパス州にいても、アメリカのバイヤーさんとはたびたび出合ったり、その存在を感じることはあれど、日本のコーヒー関係の方と遭遇することはまずない。グアテマラをはじめ、すばらしいコーヒー生産国の連なる中米諸国。後に紹介する地域も、まさに数キロメートル先に、グアテマラを望み、コーヒー産地として名高いウエウエテナンゴと同じ山系に属するコーヒー地帯だ。
メキシコ滞在記などと名まえを付けて、どちらかと言えばプライベートな内容も多いこの拙文が、メキシコのコーヒー生産国としても魅力の発掘につながるきっかけになることを願って、改めて、メキシコのコーヒー生産や産地がどういうものなのか、というところを、皆さんに紹介したい。
*滞在記としては、下段「【サン・ラファエル】を味わう」より御覧ください。


メキシココーヒーの背景

メソアメリカ(メキシコおよび中央アメリカ北西部)の中で、メキシコは、コーヒーを最初に植えました。初期の植民地時代で18世紀後半の頃です。
しかし、この地域は、豊富な鉱床であったため、鉱業に大きな関心が寄せられ、コーヒー産業は、メキシコの独立後、19世紀後半から20世紀初めに、農場の再分配によって、先住民による小規模農業がおこなわれるまでの間、発展することはありませんでした。

20世紀後半、メキシコ政府は、コロンビアのFNCやコスタリカのICAFEと同様に、技術支援、植生に関する情報、必要な材料、および生産者への資金援助を提供するためにINMECAFEという国立のコーヒー機関を設立しました。
残念ながら、INMECAFEは「短期間の実験」としての機能であったため、1989年に解散すると、農家(特に遠隔の農村地域の人びと)は、支援や資源へのアクセスを絶たれることになりました。コーヒー市場の下落や石油価格の降下によって、メキシコのコーヒー農家は財政面でもダメージを受け、コーヒーの品質にも大きく影響を与えました。

1990年代から21世紀初頭にかけて、フェアトレードやフェアトレード認証に焦点を当て、小規模農家が農業組合を結成することで、メキシココーヒーのイメージは、持続可能性や価格面の優位性、さらに対アメリカとの物流面における容易さにより、存在感や影響力を持つことになりました。


近年、メキシコは、カップ品質や収量の低下を招くコーヒーサビ病やその他の病原体に苦しんでいます。土地所有権、移民労働者の損失や再配置が相まって、すばらしいカップ品質や、品質向上を約束する生産者や生産者団体の存在もありながらも、生産国としての未来像をかすめています。

とはいえ、1~5ヘクタールを所有する平均的な農家の中には、直面している障害を克服しようと努力しており、彼らが生み出す質の良いはコーヒーは、世界のコーヒーバイヤーも注目するすばらしいものとなりました。
(出典:Cafe Imports)

産地としてのメキシコ

現在、メキシコでは様々な地域で高品質なコーヒーが生産されています。そのほとんどはウォッシュド(水洗式)ですが、ここ数年、ナチュラルやハニープロセスなど、さまざまな精製方法が見直されています。地域としては、オアハカ州、ベラクルス州、そしてチアパス州が主となり、高品質のコーヒー栽培は、小規模生産かつ有機栽培であることが特徴です。標高は800メートルから1800メートルほどです。
コーヒー生産はメキシコ全体のGDPの約5%ではありますが、世界で10番目に大きなコーヒー生産国です(2013年)。

【サン・ラファエル】を味わう


サン・ラファエルの風景

年間を通して降雨量の多いサン・ラフェエル。この日も時おり、小雨が降り、曇っている時間が長い。集落の入り口は閉ざされていて、通行には、村の人の許可がいる。

* * *
2018年12月7日(金)。出発地となるサンクリストバルから車で片道4時間。近隣のコミタンという比較的大きな都市を超えて、舗装されていない山道をつき進み、本当にこの先に人が住んでいるのだろうか、と疑うような山間に、「サン・ラファエル」はあった。
なぜマヤビニックでもセスマッチでもない「第3の産地」を訪問したかと言えば、単純に好奇心に掻き立てられた。「違う景色」を見たくなったのだ。
今回、私をサン・ラファエルに誘ってくれたのは、サンクリストバルに住む韓国人のキムさん。2012年からコーヒー産業に従事し、現在、私の旅の拠点となるサンクリストバルに住んでいる。キムさんとの出会いは2年前までさかのぼるが、その後、何度かサンクリストバルに行く機会があったにもかかわらず、接点はなかった。しかし、今回、出発前に連絡をさせていただき、再会を果たすことができた。
このサン・ラファエルに向かう2日前の2018年12月5日(水)、私はキムさんのラボラトリーに招待され、さっそくカッピングをさせてもらう。全4種類中、ウォッシュト、ナチュラル、ハニーと、精製の違う3つのサンプルは、今季収穫した、サン・ラファエルのものであった。このサン・ラフェエルこそが、グアテマラのウエウエテナンゴと同じ山系に属するコーヒー地帯で、わずかに27の家族がコーヒー栽培に従事しているとのことだった。(つづく・・・予定)