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日本でフェアトレードを広げるための大切な気づき

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コーヒー豆を卸売り価格にて販売させていただいております。

セイコ社長の【ガチ日記】

2015/08/09

日本でフェアトレードを広げるための大切な気づき

フェアトレードセミナーのアンケートで見えてきたもの・・・ PART2

日本でフェアトレードを広げるための大切な気づき

8月1日に静岡県浜松市で開催されたフェアトレードの市民セミナーのアンケートから、考えるきかっけをいただいています。先日、真夜中に書いた記事(日本のスーパーマーケットで「フェアトレードコーヒー」が売れるわけがない!って話)に続き、参加者からのアンケートから、考えてみたいことがあります。


日本人は「支援」が得意?苦手?

参加者の方のコメントを一部抜粋すると、

「日本は様々な国に災害等の際には多額の支援をしていて、「支援」という言葉には敏感であると私は思っていた(中略)しかし、消費が関わってくると話は全く別物となり、(中略)フェアトレードの実現はとても難しいのだとわかった。」

つまり、災害などが起きたとき、その方の印象では、「募金」であったり、「ボランティア」に関わる日本人がいるはずなのに、日々の消費となると、「フェアトレードによる貧しい生産者の支援」の輪は広がっておらず、フェアトレードの普及は難しいのだと感じられたのでしょう。


フェアトレードはチャリティーなのか

ここでもう一度考えたいことは、

「フェアトレード=チャリティなのか」

ということです。再び私が思い出すのは、山本先生(慶應義塾大学教授)の授業。先生がチャートを用いて、学生に伝えていることは、


『貧困度が高い』:支援・チャリティー
            ↓
            ↓
            ↓
『貧困の緩和』:自立



と段階的に、各地域の実情にあわせて、複線型の発展を想定する必要性を言っています。
山本先生が訪れたことのある東ティモールは、当時、まだ独立後それほどの年月が経っているわけではなく、まだまだ「支援」が必要な状況だったようです。

しかし、私たちのフィールドであるメキシコ・マヤビニックに関して言えば、生産者組合が、自立的にカフェの経営を始めて、フェアトレードによる支援、という段階は卒業したことになります。

次は、講師の佐藤先生
(アジア経済研究所)の言葉を借りると、

対等なビジネスパートナーを目指すが、力関係の差があるならば、その差を意識して「手加減」する

という段階なのかもしれません。

しかし、実際、豆乃木は相手に「手加減」できるほどの余裕はなく、こちらも必死にビジネスを継続させている最中なので、FLOの定義を含む一定の条件(最低価格の保証、フェアトレードプレミアム・オーガニックプレミアムの加算等)に則った上で、あくまで、対等なビジネスパートナーで在り続けることが、「フェアトレードを継続すること」になるのだと思います。


日本人は「支援」が得意?苦手?

もうひとつ興味深いテーマとしては、日本人は「支援」が得意か?苦手か?という話題です。講師の佐藤先生は、日本にも1960年代から「ベルマーク運動」があることを指摘。


ベルマークとは?

「すべての子どもに等しく、豊かな環境のなかで教育を受けさせたい」。

ベルマーク運動は、そんな願いをこめて1960年に始まりました。PTAなどのボランティアで生み出された資金(ベルマーク預金)で学校の設備や教材をそろえ、さらに国の内外でハンディを背負いながら学んでいる子どもたちに援助の手を差し伸べます。 マーク集めから始まるだれでも気軽に参加できるボランティアです。
約842万世帯のPTAと、共鳴する企業や地域の人たちに支えられて助け合いの輪は大きく広がっています。

 
というもの。たしかに、子どもの頃、学校でベルマークを集めていて、せっせと自宅でベルマークを切り取っていた記憶があります。(このベルマークが一輪車に変わることがあったと思う・・・)。赤い羽根や緑の羽募金運動なんかも、私たちにとっては比較的身近な募金活動です。

そういえば、私は子どもの頃、飴玉を目当てに、キリスト教会が主宰する日曜学校に行っていたことがありますが、集会の最後に、黒いベルベットの生地の布の袋がまわってきて、その袋にお金をいれるような場面があったような気がします(しかしながら飴玉を目当てにいっていた私が、その袋にお金をいれたかどうかの記憶はなく・・・)。

ヨーロッパでフェアトレード運動が盛んな背景には、宗教が大きく関わっているという説が有力ではありますがが、利己的だと言われる日本人も、幼き日からベルマークや募金に「協力」したり、最近では、東日本大震災のときに、国民が一丸となって、支援をしようと、行動したはずだ。ということは、やっぱり、アンケートの中で、どなたかも指摘していたように、

日本人が支援が苦手というわけではなく、フェアトレードの「広報」の仕方がマズイんじゃないか?

という指摘は耳が痛くもあり。「身近ではない海外の生産者」に対して、想像力を持とうよ、と私は以前、ブログで投げかけたことがあるけれど、これは責任の押し付けかもしれませんね。

(ああ、結局、私も含めて「日本人はなんて利己主義なんだ!」)

と嘆くのではなく、より「伝わる」「伝える」ことを心掛けることが、前の記事
「なぜ日本でフェアトレードの購入が広がらないのか。そのためにはどうすれば良いのか?」の答えじゃないかと思うわけです。

そもそもフェアトレードという言葉の意味がわかりづらい、という指摘もわからなくもなく・・・。)

皆さんのアンケートの答えを無駄にしないよう、独善的なフェアトレードを脱ぎ捨てて、

・わかりやすく
・よりクウォリティにこだわって
・視覚・販売デザインに磨きをかける

この3つで、皆さんに「選ばれる」フェアトレード商品・サービスを提供したいと思います。